「俺、飛行石が欲しい」
映画のDVDのエンディングを見ながら、俺は桂木に漏らした。
「だってそしたらすぐに桂木のとこに飛んで行けるじゃん」
笑って言ったら、照れた表情とともに訂正された。
「飛行石は浮かぶことしかできないんだよ」
「飛んだっていいじゃん飛行石なんだからさ。いつだって桂木といたいんだ」
「ありがとう。大丈夫、匪口さんはいつだって私と一緒にいるよ。私もいつだって匪口さんと一緒にいるよ。いつでもここにいる」
桂木はそっと微笑んで俺の胸を指さした。そしてもう一度、ここにと囁いた。
指を差された胸がほんのり暖かくなって、じわりと熱いものが目頭まであふれそうになった。
俺の気まぐれなんて、桂木の一言で癒されてしまう。
「桂木は俺を泣かせたいわけ?」
強がって告げたら、桂木は大慌てでフォローをし始めたのだった。