はぁ、と熱っぽい息を吐き出しながら、ツッキーが、やまぐち、と俺の名を呼んだ。赤いスカートの裾の海に沈めていた顔を上げれば、ドレスの布地の向こうで、ツッキーが俺のことを熱に潤んだ目で見つめていた。
「ゴム、つけて」
 お願い、と囁かれたところで、俺は仕方なく自分の分と合わせて、枕元の箱からコンドームのパックを2つ手に取った。ベッドの上に横たわるツッキーは俺がネットで注文した真っ赤なドレスに身を包んでいて、そのスカートの裾は何重にも重なってツッキーの視線を、自身の腰元から遮っていた。
 ぴり、と開封したコンドームのひとつを、ツッキーの勃起した性器の上から被せて下ろしていく。スカートの内側で固く反り返ったツッキーのそれを、今さっきまで俺は手で触れていて、そろそろ、いつ射精してもおかしくない状態にあることは、目にしなくてもツッキー自身、その感覚で察しているみたいだった。
 ツッキーはいつも、出す前に俺にこうやってゴムをつけるよう、お願いをしてくる。スカートの布地がかさばって上手く目に出来ないのに加えて、思ったように手が届かないのが理由だと説明されるけれど、それよりなにより、ツッキーがゴムをつけたがるのは、俺が買った、このドレスを自分の精液で汚したくない、という気持ちの表れだった。
「汚してくれたって、構わないのに」
 ぽつ、と自分でも意識しないうちに本音が漏れていた。スカートの向こうでツッキーの目元と口元が、ムッと尖っていく。
「だったら今すぐ脱ぐから、待って」
 起き上がろうとするツッキーの身体を手で押さえ、俺は慌てて首を横に振った。
「うそ、嘘ウソ、ごめん、今の聞かなかったことにして」
 ね、と告げながら、ツッキーの足に手で触れ、その奥の窄まりへと、もう一方の手を伸ばす。ちょん、と指先で突けば、ビクッと震えたツッキーが、期待に満ちた目で俺の顔を見上げてくる。
 もちろん、いつもの、普段のツッキーのままでえっちをするのだって、充分に気持ちがいい。ツッキーはどんな格好でいたってカッコイイし綺麗だし、可愛らしさだって、めちゃくちゃある。でも、こうやって月に一度、決まった日にだけ俺のためにドレスを纏ってベッドに横たわってくれるツッキーは、やっぱり、どうしたって、その全部の要素の度合いが最高MAXになってくれるのだから、俺はどうしたって絶対に味わいたくなってしまう。
 窄まりの奥に挿し入れた指先を中で折り曲げると、当然のようにツッキーのコンドームを被ったちんこが大きく前後に震えてくる。
「ん、……んん……っ、」
 ビクビクと肌を震わせながら息を漏らすツッキーは、やっぱり普段の何倍も敏感で反応が良い。いつもは、こんな風に俺が解しているだけの間に声を漏らすことなんて、ほとんどない。指を二本に増やして大きくナカを掻き混ぜれば、ビクッと震えながら、その背中を大きく逸らしていった。
 もういいかな、と様子を伺っている俺に、ツッキーの声がした。
「もぅ、……いい、から……、」
 恥ずかしさに顔を真っ赤に染めながら、それでも俺の熱を待ちきれずにおねだりするツッキーの表情に、俺のちんこも我慢の限界を迎えようとしていた。自らのちんこにゴムを被せながら、ツッキーの腰元へ、自分の腰を近づけていく。ベッドの上に広がったスカートの裾を巻き込まないようにだけ気を遣い、浮いたツッキーの腰と足に手を添わせる。持ち上げた感触で、今の俺の動きを読み取ったらしいツッキーの、その口元が嬉しそうに緩められていくのを、ちゃんと見逃しはしなかった。
 ぐっと押し込んだ先端は、すぐにツッキーのナカへと飲み込まれていった。
「ん……、ぁ、」
 いつも以上に目に出来ない場所からの感覚に肌を震わせたツッキーが、息を漏らす。その満足そうな息の吐き方に、俺はぞくっと背中を震わせながら、それでも焦らないよう自分に言い聞かせ、ゆっくりとツッキーのナカヘと、押し進んでいった。普段より熱いツッキーのナカは、もうとっくにトロトロに蕩けてしまっていた。包み込まれた俺のちんこを、きゅうきゅうと締めながら、吸い付くみたいに絡みついて味わおうとしてきているのが伝わってくる。ああ、気持ちいい。
 根元まで押し込んだ自分のちんこがふやけそうになる錯覚の中、俺は熱い息を吐いてツッキーの顔をのぞきこんだ。目が合った瞬間、ツッキーの中が、きゅぅ、と一層の締め付けを増していく。ベッドの上、真っ赤なドレスを纏ったツッキーは、嬉しさ半分、恥ずかしさ半分といった顔つきで、すっかり夢見心地の様子で俺の顔をぼんやりと見つめていた。少し微笑んでいるように見えるその口元に目掛け、唇を押し付ける。ぐっ、と近づいた繋がりに、ツッキーの顔に、さらなる赤みが差していく。可愛いなぁ、と思いながら、深く唇を重ねたら、嬉しそうに細めたツッキーの目元から、小さな涙の雫が落ちて、耳元へと流れていった。
「……ぁ、……はぁ、」
 少し苦しそうに顔をしかめ、足を震わせたけれど、ツッキーはやっぱり、見るからに喜んでいた。俺が知る前、ツッキーが、こうやってドレスとハイヒールを身に纏って俺に触られるところを想像しながらオナニーしていた、と聞かされた時、最初は信じられない気持ちでいっぱいだった。でも、何度もこうやって、普段のツッキーと、着飾ったツッキーとを交互に相手しているうちに、それが本当のことなんだと、今では心から納得するようになっていた。
 ドレスとハイヒールを着たツッキーは、めちゃくちゃカッコ良くて、そして、むちゃくちゃ俺からすれば、可愛くて、たまらない。
 繋がったままの腰を、ぐりぐりと押し込むように揺らしていく。ん、ん、と唇を合わせたツッキーの喉から、くぐもった高い声が漏れ聞こえてくる。ぐちゅ、と音がするように引いて押し込むと、ビクッと震えたツッキーの唇が、酸素を求めるみたいに大きく開いた。
「ぁ、ああ、んっ、……んっ、……んんっ、」
 顔を離したツッキーの口から、女の子みたいな声が響き漏れてくる。可愛いなぁ、と思いながら腰を大きく打ち付けたら、軽く悲鳴みたいな短い声をツッキーは発した。びくびく、と肌が震える様を前にして、やっぱり、この恰好のツッキーは、普段の何十倍も気持ちよさそうだ、と思う。ナカはもう信じられないくらい、ぐちゃぐちゃしているし、触れた肌の体温はびっくりするくらいに高い。肩ひもをずらして触れた鎖骨や乳首の刺激にだって、いちいち反応してくれるツッキーを見下ろし、心底、思う。俺だけが、こんなツッキーを、知っている。その優越感に笑みを浮かべながら、俺は、普段より少し乱暴にツッキーのナカを?き乱していく。幸い、ツッキーから、繋がっている部分は見えていない。ぐちゅぐちゅと水っぽい音をわざと聞かせるように腰を動かせば、恥ずかしそうに腕で顔を覆っていたツッキーが、我慢できないといいたげに背中を大きく逸らしていった。
 出来ることなら、この真っ赤なドレスに思う存分に吐き出して、汚してしまいたいくらいなのだけれど。
 頭に浮かんだ想像に顔を緩め、そして、別の意味の笑いを浮かべていく。
 きっとツッキーは、そんなこと、言っただけでも、ものすごく怒るんだろうな。
「ぁ、あ……、あっ……、んっ、」
 緩くゆすった俺の動きに合わせて喘ぐツッキーの声を耳にしながら、俺は想像の中だけで、このドレスの赤の上に自分の白い精液が散って汚れていく光景を思い浮かべては楽しんでいた。
 汚しても気にならないくらい何着も買ってプレゼント出来るくらい、俺に財力があれば良いのかな。
 乱れて着崩れていくドレスの中心にいるツッキーのことを見下ろしながら、ぼんやりそんなことを考えていると、薄目を開けたツッキーと目が合った。最中に考え事をしていた俺を咎めるようなツッキーの視線に、ごめん、と呟きながら、その手に手を重ねて強く握る。お詫びのつもりで唇を重ねれば、繋がったツッキーのナカがお礼を告げるように大きくうねって締め付けてきていた。